今回の内容は、YouTubeでもお話ししています。
文章では伝えきれないニュアンスもあるので、興味のある方はぜひ見てみてください!
ピアニスト・ピアノ講師のアーニャこと山口紺碧です!
譜読みを始めて1週間。
私はすでに3回、人前でこの曲を弾きました。
しかも譜読みを始めた翌日に、です。
普通に考えれば「まだ早いでしょう」と思われるかもしれません。
実際、私自身もそう思います。
しかし今回、かなり大きな発見がありました。
そこで今日は、
譜読み開始から1週間で3回人前で弾いてみて気づいたこと
をお話しします。
曲はベートーヴェン《32の変奏曲 ハ短調 WoO.80》です。
譜読み開始から1週間で3回人前で弾いた
先週の日曜日に譜読みを始めました。
翌日の月曜日には弾き合い会があったため、その場で演奏。
その後少し練習を進め、土曜日の連弾の打ち合わせでも弾きました。
さらに翌日の日曜日にも弾き合い会で演奏しています。
つまり、譜読み開始から1週間で3回人前に出したことになります。
これは自分の中でも初めての経験でした。
1か月後に本番へ乗せることはあります。
しかし譜読みを始めた翌日に人前で通すことはなかなかありません。
アーニャ自分でも少しクレイジーだなと感じました。
もちろん、この時点で完成していたわけではありません。
(完成というものは、一生しないとはいえ)
それ以前に、まだ形にもなっていませんでした。
譜読みを始めたばかりですから、当然インテンポにもなっていません。
頭では音がわかっていても身体が追いつかない。
身体だけではなく、頭も追いつかない。
ただ、その経験も結果的にはプラスになりました。
譜読み翌日は「形にする」のをやめた
譜読みを始めた翌日。
曲はまだ弾けません。
そこで私は「形にすること」をやめました。
では何をしたのか。
中身を膨らませることに集中したのです。
私が大事にしていたのは、テンポ感よりもフレーズ。
そしてハーモニーの移り変わりや呼吸。
和声の変化も含めて、
音楽をより細かく観察する譜読みをしていたのです。
その結果、譜読み翌日の演奏は正直ひどいものでした。
テンポはかなり遅い。
音も間違える。
雰囲気を掴もうとしているものの、まだ掴み切れていない。
それでも他に意識していたことがありました。
身体の感覚です。
ポジション移動もそうですし、ただ音を並べるだけではなく、
音程感やハーモニー感を感じながら弾いていました。
インテンポよりも中身を優先した
最初の演奏の後の練習でも、あえてインテンポで弾こうとはしませんでした。
なんとなく綺麗に弾こうとも考えていません。
引き続き、中身を膨らませることを優先していたのです。
そして土曜日。
この頃には、かなり弾けるようになっていました。
いつも練習しているピアノだったこともあり、感触も悪くありません。
それでもテンポはまだゆっくりでした。
翌日の日曜日は、普段とは違うピアノで弾き合い会に参加。
危ない箇所や怪しい箇所はまだ残っていました。
ところが、ここで面白いことが起こります。
人前で弾いても音楽に集中できた
驚いたのは、自分の感覚に集中できたことでした。
音楽そのものに意識を向けられたのです。
人からどう思われるか。
どう評価されるか。
そういったことが、一旦頭から消えていました。
これはあくまで自分なりの分析ですが
形にしようとしなかったことが良かったのではないかと思っています。
短期間で曲を仕上げようとすると、多くの場合まず形を作ろうとします。
テンポを合わせる。
音を並べる。
雰囲気を作る。
そうすると、一応形にはなります。
実は私自身、そのやり方が比較的得意なタイプです。
センスで形を作れてしまう部分もあります。
だからこれまでは、
「形を作ってから中身を見る」
という順番で練習していました。
しかし今回は違いました。
最初から中身を膨らませていったのです。
譜読みの順番を変えたら感覚も変わった
中身を膨らませるというのは、
ハーモニーを感じること。
呼吸を感じること。
楽譜に何が書かれているのかを丁寧に見ること。
そうした作業を意味しています。
さらに今回は、ポジションにもかなり意識を向けていました。
ただ音を出して譜読みするのではありません。
最初から、
「どこに手を持っていけば弾きやすいのか」
ということを考え、練習していたのです。
そのため、いつもの譜読み以上に
自分の感覚へ集中していました。
形にならなくても仕方がない。
そう思いながら人前で弾いていました。
しかし録音を聴き返してみると、
意外な発見がありました。
思っていた以上に音楽を感じながら弾けていたのです。
いつもは、
こんなふうに弾いているつもりだったのに
と思いながら録音を聴くと全然違うことがあります。
今回は逆でした。
自分が感じていた音楽が、
ある程度演奏にも表れていたのです。
形から作ると途中で迷走することがある
今回の経験を通して感じたことがあります。
それは、
形から作ると途中で迷走しやすい
ということです。
最初は音楽と自分が一致したような気になります。
ところが後から中身を見始めると、
「あれ?」
というズレが生まれることがあります。
このベートーヴェンの曲を始めてから
もうすでに4週間が経とうとしています。
けれど、今回はズレが起きなかった。
これは人間関係にも少し似ているかもしれません。
初対面で話していると楽しい。
でも付き合いが深くなるにつれて、違和感が見えてくる。
そんな感覚です。
人なら話し合いができます。
そして話し合うことで関係が深まることもあります。
私にとって、
その話し合いに近い役割を果たしていたのがレッスンでした。
レッスンでズレを修正しながら進んでいたのです。
しかし今回は違いました。
最初から曲の中身を知ろうとしていた。
だから後から大きなズレが生まれにくかったのではないかと感じています。
大人のピアノの譜読みで大切だと感じたこと
今回の経験から改めて思ったのは、
最初からインテンポで弾こうとしなくてもいい
最初から綺麗に弾こうとしなくてもいい
一般的に上手い演奏や理想の演奏に近づけようとしなくてもいい
テンポは後から上げられます。
形も後から整えられます。
だからこそ最初は、
自分の感覚に集中する時間を大切にする。
これが一番の近道なのではないかと感じます。
まとめ|譜読みで先にやるのは「形作り」ではなかった
譜読み開始から1週間で3回人前で弾いてみて、一番大きな発見は、
形より先に中身を育てることの大切さ
でした。
フレーズを感じる。
ハーモニーを感じる。
呼吸を感じる。
身体の動きを感じる。
そうしたことを先に積み上げていくと、
演奏が大きく崩れにくくなるような感覚があります。
本番は近づいていますが、今回は
このまま進んでいけば大丈夫そうだ
という感覚を持てています。
譜読みが遅い。
譜読みしてもなかなか曲にならない。
途中で迷走してしまう。
そんな悩みを持つ大人のピアノ学習者の方は、
一度譜読みの仕方を見直してみるのも面白いかもしれません。
案外、先に作るべきなのは
形ではなく中身なのかもしれません。
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